毎晩来る女の霊
ヒロラス刑事


小さい子供は幽霊をよく見る。
純粋な心が見えないものも見えるとよく聞く。
それは本当の事だろう・・・・。

ヒロラス刑事にもその体験があった。
母親が語る真実。


今の家に引っ越してくる前、5歳まで宮崎県E市の某団地に住んでいた。
幼稚園にも通わず、毎日おもちゃの拳銃を肩に担ぎ遊び回る日々。
そんな平凡な生活を送っていたある日。

雷が激しくなる夜だったのを覚えている。
僕の寝床は2段ベットの2階、
右手には机、左手には壁があった。
雷が昔からすごく苦手な僕を母親は寝かしつけて自分も床についた。


その夜、ふと目が覚めた。
自分の左手に白い着物を着た髪の長い女が立っている。





左手は壁で人の入る隙間もないのに・・・
その頃は幽霊の存在は知らなかったが、何か雰囲気が怖い!
女は僕をずぅっと見つめしばらくすると僕を抱きかかえようと手を伸ばしてきた。
そして僕を抱きかかえた。
体が浮く感じがしたのをはっきり覚えている。

気がつくと僕は母親の所へ逃げ、泣きついていた。

それから数ヵ月後、家を引っ越す事になり今の家に来た。
それからも毎晩僕の寝る部屋に女は来た。

パターンはいつも決まっていた。

夜中必ず目が覚める。
すると家の庭を誰かが歩く音がする。
ザッ、ザッ、ザッ
庭には砂利が撒いているから人が歩けばすぐに分かった。
そして部屋のカーテンの所を見ると女が立っていた。

いつもいつもいつも同じ。

歩く音がすると女が立っている。
そして僕をじっと見つめている。

そのたび僕は隣に寝ている母を起こし、
あそこに女の人が居る」と泣きついたと母は言う。

今でもこの事を母に聞くと
毎晩毎晩怖かったよ!」と言う。
しっかりしなさい!
と僕の頬を張る事もしょっちゅうあったらしい。

今もお世話になっている御払いしのお婆ちゃんに除霊を頼んで以来、
女は現れなくなった。

この女が何で僕に付きまとっていたか未だに疑問だ。