廃病院での恐怖体験

ヒロラス刑事


自動車免許取立ての夏、
友達と心霊スポットに行こうと言う事になり向かった。
宮崎県の心霊スポットは大体1時間位で行き来できるような距離なので、
一気に数箇所周るのが定番だった。

いつものルート
Tホテル』⇒『仏舎利塔』⇒『コツコツトンネル』⇒『K病院
今日もこのルートで肝試しをする。

まず『Tホテル』『仏舎利塔』の2つを
いつものテンションで一気に終わらせる。
この2つは本当に怖いが、もう何回もココに来ている僕達は
恐怖を感じなくなっていた。







そして次の『コツコツトンネル』に到着。
その時に初めて奇妙な体験をする。

うぅ・・・・・ うぅ・・・・・ うぅ〜
トンネル入り口手前、林の方から男のうめき声が聞こえる。

ヒロラス刑事『何か聞こえない?
友達『んっ、何も聞こえないけど・・・・
ヒロラス刑事『何かさっきから低い男のうめき声が聞こえる
友達『怖い事言わんが〜・・・

友達も僕の発した一言に驚いた様子。
しかしそんな事も時間が経つにつれて忘れ、
肝試しがいつもどうり行われる。
コツコツトンネル』の探検を終え、最終目的の『K病院』へ向かった。

宮崎1強烈な心霊スポット『K病院』へ到着。



車を止め、敷地内へ進入し、一歩一歩建物へ向かう。
ココはなかなか駐車場が広く、建物までが遠い。

そして遂に建物の目の前にたどり着いた時

うぅ・・・・・ うぅ・・・・・ うぅ〜


またさっきの男のうめき声が聞こえた。
しかし何故病院内から聞こえる?
そんな事を考えている時も、友達たちはドンドン廃墟内へ足を進める。

入り口へ侵入。
さすがに入り口からは足が前に進まない。
しばらくの間入り口付近でモタモタしいた。
そしてついに恐怖体験をする。

突然一番最後尾にいた友人が、
『あそに何か居る!』
と指差し叫んだのだ。

何よ、何よ、何処にいるって?
一瞬場がパニックになる。

そして友人がさした指の先を見ると、
真っ暗の廃墟内なのに何か黒い影がうごめいているではないか。

何あれ?何だ?
不思議と皆逃げない。
『何だ、何だ』と騒いでいると

すぅ〜・・・・
影が突然渦巻き、みるみる白くなっていく。
足がすくんで動かない。
どんどん影は人の形になっていく。
そして遂に看護婦の姿になった。

皆、初めてみる幽霊に足がすくみ声も出ない。
不思議と逃げる奴もいない。
と言うか、頭が混乱し状況がつかめていない。
僕もただじっと看護婦を見つめていた。
と言うか突然の事、しかも超常現象を目の当たりにして
脳が働く訳がない。
ただずぅっと看護婦を見つめていた・・・・。

そしてどの位時間が経ったのだろうか?
多分1分位だったと思う。
看護婦の形をした霊はすぅ〜っと僕達に向かって浮いて来た。
その時やっと『逃げないと』と思い、
ひたすら走って車の所まで逃げた。
そして急いで車に乗り込み遠くへ逃げた。

今日聞いた男のうめき声、看護婦の姿をした幽霊
あれは一体何だったのだろう。
今までは金縛りとかしか経験が無く、
リアルタイムで幽霊を見たなんて始めての事だった。
まさか自分が、そこら辺で語られているような恐怖体験をするなんて・・・。

この体験は僕のはじめての恐怖体験だった。